ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である国土幹線道路部会にて議論してきた「高規格道路ネットワークのあり方」について、2023年10月31日に「中間とりまとめ」が公表されたのでご紹介したいと思います。
「高規格道路ネットワークのあり方 中間とりまとめ」とは?
2050年の将来を見据え、広域道路ネットワークの中でも特に高規格道路ネットワークに求められる役割や、その構築に当たっての基本方針、留意点等について、国土幹線道路部会における累次の議論を経てとりまとめられたものです。
新たな国土形成計画(令和5年7月閣議決定)で示された国土づくりの方向性を踏まえ、「2050 年、世界一、賢く・安全で・持続可能な基盤ネットワークシステム(通称:WISENET※)」を実現することを目標に、「シームレスなサービスレベルが確保された高規格道路ネットワークの構築」や、「技術創造による多機能空間への進化」を柱とする基本方針が示されています。
また、物流構造を転換する切り札として「自動物流道路(オートフロー・ロード)」が提案されており、関係者と連携して実現可能性を早期に見極め、今後 10 年での実現に挑戦していくことが重要であるとされています。
※WISENET:World-class Infrastructure with 3S(Smart, Safe, Sustainable)Empowered NETwork
「中間とりまとめ」の内容としては、
- 国土計画と幹線道路網計画
- ネットワークの現状と課題
- 新たな国土形成計画の考え方
- 次世代の高規格道路ネットワークのあり方
- 新広域道路交通計画と高規格道路ネットワーク
が記載されており、特に「次世代の高規格道路ネットワークのあり方」にて「自動物流道路(オートフロー・ロード)」の構築に関する箇所が気になりました。
自動物流道路(オートフロー・ロード)とは?
自動物流道路(オートフロー・ロード)とは、自動車に頼らなずに、道路空間をフル活用したクリーンエネルギーによる新たな物流形態です。
既存の高速道路空間を最大限活用するとともに、徹底した省人化を図り、低炭素なシステムを用い、ハブ機能を持つ物流拠点の配置や配送に至るトータルの物流サービスにてロジスティクス改革を行うという目標をもっています。
中間とりまとめでは、逼迫する物流需要を踏まえ、通常であれば30~50年かかるパラダイムシフトを10年で実現する気概を持って当たることが重要と指摘しています。
中間とりまとめを受けて、国土交通省道路局が作成した「WISENET(ワイズネット)2050・政策集」では、
道路空間を活用した人手によらない新たな物流システムとして、自動物流道路(オートフロー・ロード)の実現を目指します。
と記載されておりました。参考にする諸外国の事例として、「スイスのCST」や「イギリスのMAGWAY」があげられており、CSTは地下トンネルに自動運転カートを走行させる物流システムで、MAGWAYはリニアモーターを利用した完全自動運転による物流システムです。
日本でどのような自動物流道路が計画されるか楽しみです。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。