ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

2023年11月8日にご案内しました「深夜割引の見直しにおける無謀な運転の抑止策(案)」について2023年11月7日から11月20日まで道路会社にて意見募集が行われておりましたが、その結果が公表されていましたので、ご紹介したいと思います。

【深夜割引】「無謀な運転の抑止策(案)」について発表されました

意見募集結果の概要

  • 意見募集期間:2023年11月7日(火)~11月20日(月)
  • 意見送付方法:WEBサイト または 郵送
  • 意見募集WEBサイトへの総アクセス数:10,786件
  • ご意見を提出していただいた人数:260人
  • (1)抑止策(案)に関するご意見(94件
  • (2)深夜割引の見直し方針に関するご意見(468件
  • (3)その他のご意見(70件

意見として多かったものとそれに対する道路会社からの見解をまとめてみましたので、ご紹介いたします。たくさんの意見を集約すると多かったのは以下の3つの意見です。

(意見)上限距離に関する設定を見直すべき

  • 上限距離を設定すべきではない
  • 区間、気象条件又は車種区分等によって規制速度が変わることから、上限距離の一律設定を見直すべき
  • 複数人で交代しながら走行する場合は、休憩を考慮しないようにすべき

(道路会社からの見解)

高速道路会社として、引き続き安全・安心に高速道路をご利用いただけるように、割引対象距離の増大を目的とした速度超過などの無謀な運転の抑止策を講じることを検討しておりますので、ご理解をお願いいたします。

区間、気象条件又は車種区分等によって変わる規制速度やお客様の実際の走行距離をすべて考慮して上限値を設定することは困難であることから、標識や標示に速度指定のない高速自動車国道における最高速度が、軽自動車・普通車・中型車の場合には100km/h、大型車・特大車の場合には80km/hであることを踏まえ、抑止策を講じる予定としております。

高速道路のトラックの速度規制が見直された場合は、その内容を踏まえて、上限距離を変更することを検討いたします。

車両ごとにお客さまの走行実態(交代運転、運行計画、休憩実態)、運転手の人数又は利用目的などを確認して割引することは困難であること、また高速道路会社として適切な休憩取得を推奨していることを踏まえ、全ての車両に対して一律で30分の休憩に相当する距離を減じる案とさせていただいておりますので、ご理解をお願いいたします。

(意見)深夜割引見直しの方針を見直すべき

  • もっとシンプルな制度にすべき
  • 深夜割引の見直し方針自体を再検討すべき
  • 現行の深夜割引を維持すべき
  • 大型車以上に限定して深夜割引の見直しをすべき
  • 深夜割引そのものを廃止すべき
  • 見直しの対象は時間帯に限定し、単純に適用時間帯を拡大すべき
  • 深夜割引に代えて、事業用車両又は大型車以上に限定した終日型の割引を導入すべき
  • 後日還元型とすべきではなく、料金所通過時に割引を即時案内すべき
  • 深夜時間帯の走行を余儀なくされ、労働環境が悪化する

(道路会社からの見解)

深夜割引につきましては、一般道路の沿道環境を改善するために導入されておりますが、民営化時の制度導入にあたり、当時の料金徴収技術により実現可能な制度とせざるを得なかったため、割引が適用される時間帯に少しでも高速道路を利用していれば、出入口間の全体の走行に対して割引が適用される制度となっております。そのため、国土幹線道路部会の中間答申(令和3年8月4日付け)におきまして、深夜割引適用待ちの滞留車両等の課題が生じているとの指摘があり、これらの課題解決を図るため、割引が適用される走行分の料金を対象として割り引くことや、トラック運転者の負担軽減等のため、割引適用時間帯の拡大について検討する必要があるとされておりました。今回の見直しにより、中間答申で指摘された課題の解決が図られ、これにより本来の深夜割引制度の趣旨に則した内容になるものと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

第44回国土幹線道路部会(令和2年11月4日開催)のなかで、現在の深夜割引の導入効果が整理されており、並行一般道路の交通量が減少し、環境改善がみられています。見直し後においても、深夜割引の効果や影響について検証を行ってまいります。

割引対象時間帯の拡大や割引率の引き上げ等、さらなる割引の拡大につきましては、新たな財源が必要となり高速道路債務の返済に影響が生じることから、さらなる割引は困難であると考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

主に業務目的の多頻度利用車両の負担軽減を図るため、ETCコーポレートカードを利用する車両を対象に大口・多頻度割引をすでに終日型の割引として導入しております。また経済情勢に鑑み、国の予算等を財源としたうえで、ETC2.0を搭載する事業用車両を対象に、最大割引率を40%から50%に引き上げる措置も実施中です。事業用車両を対象としたさらなる割引の拡大につきましては、新たな財源が必要となり高速道路債務の返済に影響が生じることから、さらなる割引は困難であると考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

今回の見直しは、本線上にETC無線通信専用アンテナを設置することにより、割引適用時間帯の走行のみに割引を適用するよう見直すものです。見直しにより、割引適用待ちが不要となり、本来の割引趣旨により則した内容となるとともに、拘束時間や滞留による走行時の危険等の観点におきまして、負担軽減になると考えております。割引見直しの趣旨や内容をご確認のうえ、無理な運転が増えないよう、適切に労務管理・運行管理をしていただきながらご利用をお願いいたします。

(意見)料金制度全般を見直しすべき

  • 高速道路料金(定価)を値下げすべき

(道路会社からの見解)

新たな割引の実施などにつきましては、新たな財源が必要となり、高速道路債務の返済に影響が生じることから、困難であると考えております。

引き続き、国土幹線道路部会での議論等を注視するとともに、頂きましたご意見につきましては、今後料金制度・割引制度を検討する際の参考とさせていただきます。

料金制度については、国土幹線道路部会において、有識者から「受益者負担や原因者負担の考えに立ち、公平性の観点から対距離制を基本とすべき」とのご意見をいただいております。今後も、国土幹線道路部会での議論及び中間答申を注視するとともに、高速道路を取り巻く社会状況の変化等も踏まえつつ、国等の関係機関とも調整のうえ、高速道路債務の返済に影響が生じないよう、慎重に料金制度の見直しを検討してまいります。


以下、道路会社から公開された資料です。参考までに。

道路会社の資料より
道路会社の資料より
道路会社の資料より
道路会社の資料より
道路会社の資料より
道路会社の資料より

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。