ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、2024年7月時点での「物流の2024年問題」について国土交通省がとりまとめた資料がありましたのでご紹介したいと思います。
内容としては、以下のようになっています。
1.物流業界の現状
2.物流事業者における取組状況
3.倉庫業者における取組状況
4.物流革新に向けた政策パッケージ
5.物流革新緊急パッケージの策定
6.2030年度に向けた政府の中長期計画の策定
では、まずは「物流業界の現状」からご紹介します。
物流業における「人手不足倒産」が年上半期として「過去最多」で、前年同時期からほぼ倍増しており、2024年問題が影響していると思われます。
また、各事業者による共同配送の取組や同業者の買収などが進展しており、業界再編の兆しがうかがえるとのこと。
物流事業者における取組として2つ取り上げられていました。
1つ目が「幹線輸送の共同運航」です。
荷物をお互いに積み合わせて共同運行することにより輸送効率を向上させ、環境負荷の低減に対応することを狙っているようです。
2つ目が「海上、鉄道、トラック輸送を組み合わせた輸送サービス」です。
複数の経路を組み合わせ、物流の効率化、CO2削減、災害時の物流網維持を目指しているとのこと。
倉庫業者における取組として3つ紹介されていました。
1つ目が「トラック予約受付システム」です。
トラックの円滑な入構を促すために入庫車両の到着時間を分散するために導入している事例が紹介されていました。
2つ目が「無人搬送車」です。
無人搬送車による貨物の運搬を行うことで、倉庫作業員を荷受け要員へ配置換えを行い、施設内作業の効率化を図っているとのこと。
3つ目が「AIカメラによるバース予約システム」です。
AIカメラシステムによって受付を自動化し、連動して無人フォークリフトがバースへ移動して荷受けを開始するというシステム連携が実施されているようです。
「2024年問題」への対策として「物流革新に向けた政策パッケージ」が2023年6月2日に決定されました。詳細は以前ご紹介したので、リンクを貼っておきます。
具体的な施策の中で高速道路に関連するものは、
- 高速道路での自動運転トラックを対象とした路車協調システム等の実証実験等の推進
- 中継輸送の推進
- 高規格道路整備など物流ネットワークの強化
- SA・PAにおける大型車駐車マス拡充や駐車マス予約制度の導入
- 高速道路料金の大口・多頻度割引の拡充措置の継続
- 道路情報の電子化の推進等による特殊車両通行制度の利便性向上
となっております。
また、2030年度に向けた中長期計画において高速道路に関連するものは、
- 自動運転を活用したサービスについて実装を加速
- 自動物流道路の構築(10年で実現を目指す)
- ダブル連結トラックの運行路線拡充や駐車マス整備
- 大口・多頻度割引の拡充措置の継続、法令を遵守しない事業者に対しては、割引制度を厳格に運用
となっています。
物流の2024年問題に対しては、政府はさまざまな施策を実施しています。
荷主への監視強化のための「トラックGメン」を設置したり、標準的な運賃、標準運送約款の改正で「運賃引上げ」、「下請け手数料の設置」をしたり、大型トラックの「最高速度を90km/hへ」あげたり、「遠隔点呼」、「自動点呼」を行うために規制緩和を行ったり、「価格交渉に関する相談窓口」を設けたり、様々なことを実施して本気度が伺えます。
今後の動向にさらに注目です。