ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
2024年7月25日に岸田首相により「第5回 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」が開催され、「物流革新に向けた政策パッケージ」の進捗状況と今後の対応について議論されましたので、内容をご紹介したいと思います。
2023年6月に開催された「第2回会議」で決定した「物流革新に向けた政策パッケージ」の詳細は、以下をご参照ください。
2023年10月に開催された「第3回会議」では、可能な施策の前倒しを図るべく「物流革新緊急パッケージ」がとりまとめられました。
また、2024年2月に開催された「第4回会議」において、両パッケージに基づき、モーダルシフトに必要となるハード整備を始めとする各種施策について「2030年度に向けた政府の中長期計画」が策定・公表されました。
そして、今回の「第5回会議」では、トラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用された2024年4月から4か月が経過しようとしていることや、政策パッケージに盛り込まれた対策を具体化した改正物流法が2024年5月に公布されたことを踏まえ、政策パッケージの進捗状況と今後の対応について報告が行われました。
「政策パッケージ」の3本柱
1.物流の効率化
2.商習慣の見直し
3.荷主・消費者の行動変容
それぞれにおいての「進捗状況」と「今後の対応」についてポイントがまとめられた資料がありましたので、ご紹介します。
岸田総理は、今回の「第5回 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」での議論を踏まえ、以下のような指示を出しております。
物流をめぐる『2024年問題』を乗り越え、官民連携で物流革新を実現していくため、物流の効率化、商慣行の見直し、荷主・消費者の行動変容を3本柱として、多岐にわたる対策を計画的に講じていかなければなりません。
第1に、物流の効率化に向けて、6月に官民協議会で決定した『標準仕様パレット』について、政府を挙げて普及を図ってください。その上で、自動フォークリフト、自動倉庫など、即効性のある設備投資と鉄道・海運へのモーダルシフトを重点的に支援してください。
さらに、2030年代半ばまでに無人物流網を実装することを目指し、自動運航船の商用運航に必要な国際法・国内法の整備、全国の一級河川と送電網の上空を活用したドローン航路網の設定、全国高速道路網における自動運転サービス支援の標準化、東京-大阪間で構想する自動物流道路における、2027年度までの実験実施と、2030年代半ばまでの第1期区間での運用開始、こうした革新的取組に、官民連携で、体系的に取り組んでまいります。
また、航空物流についても、日本のハブであり、国内最大の貿易港である成田空港について、第3滑走路による機能強化や圏央道整備を見据え、地元自治体と連携し、特区の活用を含め、国家プロジェクトとして機能強化の取組を加速してください。
第2に、賃上げを含む商慣行の見直しに向けて、先般成立した改正物流効率化法(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律)を原則来年4月に施行することとし、実効性のある判断基準の設定など、次の春闘に間に合うよう、準備を加速してください。
あわせて、構造的賃上げに向け、11月から12月を集中監視期間とし、トラックGメンの機能強化を行ってください。
第3に、荷主・消費者の行動変容に向けて、主要Eコマース事業者と運送事業者の参画を得て、コンビニ受取、置き配等を選択した消費者にポイントを還元する事業を、10月から実施いたします。あわせて、送料無料表示の実効性のある見直しを行い、これを改正物流効率化法に基づく基本方針に盛り込んでください。
物流は、国民生活や経済を支える重要な社会インフラです。今後の人口減少社会を見据えると、物流機能維持には、既存の物流インフラを活用しつつ、物流の常識を根本から革新していく取組が不可欠です。国土交通大臣を中心に政府一丸となって対処し、来年度予算及び秋に予定する経済対策を含め、長期ビジョンに立った対策を迅速に講じてください。
令和6年7月25日 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議 – 首相官邸
特に高速道路に関しては、
2030年代半ばまでに無人物流網を実装することを目指して、全国高速道路網における自動運転サービス支援の標準化、東京-大阪間で構想する自動物流道路における、2027年度までの実験実施と、2030年代半ばまでの第1期区間での運用開始
と指示されました。
自動物流道路に関しては、同日に「自動物流道路のあり方」に関する「中間とりまとめ」が公表されましたが、岸田首相によりタイムスケジュールが決められた形となりました。
今後、「自動物流道路に関する検討会」にてよりスピーディに議論されていくのだろうと思われます。
2024年7月26日(金)に国土交通省の斉藤大臣の記者会見があり、本件について言及がありました。
(記者)
昨日(25日)、物流に関する関係閣僚会議がありました。
昨年策定された「政策パッケージ」の進捗や今後の対応などが示されたと思います。国土交通省の役割が非常に大きいかと思われますが、大臣の所感、今後の取組について改めて教えてください。
(大臣)
昨日の関係閣僚会議では、昨年6月の「政策パッケージ」の進捗状況の報告と、今後の対応についての議論を行いました。
報告と議論を踏まえ、総理からは、国土交通大臣を中心に政府一丸となって対処し、長期ビジョンに立った対策を迅速に講じるよう指示があったところです。
御指摘のとおり、物流の効率化のためには、国土交通省の果たす役割が非常に大きいと考えています。昨日の閣僚会議で報告したとおり、国土交通省としては、物流DX・GXの推進、デジタル技術の実装、成田空港の更なる機能強化、自動物流道路の検討、トラックGメンの機能強化など、あらゆる施策を総動員して取り組んでいきたいと決意しています。
物流の革新と持続的成長に向け、今後とも、国土交通省が中心となって、荷主を所管する関係省庁と連携しながら、政府一丸となって、全力で進めていきたいと強く決意しています。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。