ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、ETCの通行料と一緒に請求される「空港連絡橋利用税(関空橋税)」が、インボイス制度の開始前後でどのように扱われるか?その違いについてご紹介したいと思います。

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今回のお話は、道路会社におけるETCクレジットカードとETCコーポレートカードのインボイス制度への対応の違いを考える上で重要なことだと思います。

ちなみに、「空港連絡橋利用税(関空橋税)」は、大阪府泉佐野市が空港連絡橋利用税条例を制定し、総務大臣の同意を得て施行した「法定外普通税」で、2013年3月30日から徴収が開始されています。また、当然ですが、税に消費税はかからないので、消費税は課税されず、ETCの利用明細には、関空連絡橋通行料と空港連絡橋利用税(関空橋税)が別々に記載されています。

関空連絡橋を通行する回数1往復につき100円。 関空連絡橋の通行料金に障害者割引が適用される場合は1往復につき50円。

高速道路の通行料は、消費税法上の課税対象となりますが、関空橋税のような法定外税(法定外普通税を含む)は、消費税法上の「不課税」となっています。

詳しくは、以下をご参照ください。

【関空橋税!?】なぜNEXCOだけ有料提供データフォーマットの仕様変更があるのか?の答えがわかりました!

では、この「空港連絡橋利用税(関空橋税)」ですが、利用照会サービスの利用証明書において、インボイス制度が始まる前の現時点(2023年4月時点)ではどのような扱いになっているかというと、ETCクレジットカードの場合は、以下のような「利用証明書」が発行されています。

関空連絡橋通行料と空港連絡橋利用税(関空橋税)は別々のETC利用証明書が発行され、通行料金の下にETCクレジットカードでの利用であることがわかるように(ETCクレジット)と記載されています。また、確定した通行料金であることを表す「確定マーク」が右下に記載されています。

次にETCコーポレートカードの場合は、以下のような「利用証明書」が発行されています。

ETCコーポレートカードの場合もETCクレジットカードと同様に、関空連絡橋通行料と空港連絡橋利用税(関空橋税)は別々のETC利用証明書が発行されています。通行料金の下にETCコーポレートカードでの利用であることがわかるように(ETCコーポレート)と記載されています。

ETCクレジットカードとの大きな違いとしては、通行料でも関空橋税でもETCコーポレートカードの場合、確定した通行料金であることを表す「確定マーク」がつきません。理由は、「契約者単位割引や車両単位割引が反映されておらず料金が確定していないため」であり、NEXCOからも以下のように説明されています。

大口・多頻度割引における請求書等へのインボイス制度対応(よくあるご質問)より

では、この「空港連絡橋利用税(関空橋税)」は、利用照会サービスの利用証明書にてインボイス制度が始まったらどのように変わるのでしょうか?

NEXCO西日本お客さまセンター」に確認したところ、以下のような回答がありました。

空港連絡橋利用税(関空橋税)」 の「利用証明書」の下部に記載されている

   ※通行料金は消費税率10%対象です。

という文言が、インボイス制度開始後には、

   ※通行料金は消費税不課税です。

と表示されるとのこと(文言やレイアウトは変更が入る可能性があり、変更があればお知らせするとのこと)。これは、高速道路をETCクレジットカードで利用した場合もETCコーポレートカードで利用した場合も同じとのことでした。

その上で、インボイス制度開始後に「利用証明書」はインボイスとなるのか?と質問したところ、以下の回答がありました。

ETCクレジットカードの利用にて「確定マーク」がついた「利用証明書」はインボイスとなるが、ETCコーポレートカードの場合の「利用証明書」は「確定マーク」がつかないためインボイスに該当しない

とのこと。

ETCコーポレートカードに関しては、契約者に道路会社から送られる「後納料金等請求書」と「総括表(契約者単位)」がインボイスにあたるので、そちらをご利用下さい

とのことでした。

このようにETCクレジットカードとETCコーポレートカードにて「空港連絡橋利用税(関空橋税)」や「利用証明書」の扱いが異なるので注意が必要です。

これは、以前にもご紹介した「クレジットカード会社から送られてくるETCクレジットカードの請求明細書はインボイスにはならない」ということにつながります。

ETCカードは何がインボイス(適格請求書)となるのでしょうか?

消費税の課税対象である通行料とは違い、不課税である「空港連絡橋利用税(関空橋税)」は インボイス制度における消費税の課税対象額から除外する必要があります。

不課税である空港連絡橋利用税(関空橋税)」 から見ると、ETCクレジットカードとETCコーポレートカードのインボイス対応は違いがあることがよくわかります。

道路会社から協同組合などの契約者に送られてくるETCコーポレートカードの走行データでは、不課税である空港連絡橋利用税(関空橋税)」が明確に区分され、データレイアウトの変更も伴って対応がなされる予定です。

逆に、クレジットカード会社から協同組合などに送られてくるETCクレジットカードの走行データでは、不課税である空港連絡橋利用税(関空橋税)」が明確に区分される予定がないようです。

そして、利用照会サービスから出力する「利用証明書」は、ETCコーポレートカードの場合はインボイスにならず、ETCクレジットカードとの場合はインボイスとなります。

これはETCクレジットカードとETCコーポレートカードによるインボイス制度への対応が異なることの現れだと思います。十分にご注意下さい。


以下、その他参考リンクです。

ETCカードのインボイス(適格請求書)とは?

「ETC利用照会サービス」とは?

SAやPAにある「ETC利用履歴発行プリンター」からインボイスは印刷されるか?

インボイス制度の「2割特例」とは?

インボイス制度の「少額特例」とは?

インボイス制度の「公共交通機関特例」とは?


最後まで見ていただき、誠にありがとうございました。

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