ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、 2025年10月1日に道路公団民営化から20年となったことをご紹介したいと思います。

道路公団民営化」とは、有料道路の建設・管理を行っていた以下の4つの特殊法人が2005年10月に民営化され、

 ・日本道路公団
 ・首都高速道路公団
 ・阪神高速道路公団
 ・本州四国連絡橋公団

以下の6つの株式会社と1つの独立行政法人になったことを指します。

 ・東日本高速道路(株)
 ・中日本高速道路(株)
 ・西日本高速道路(株)
 ・首都高速道路(株)
 ・阪神高速道路(株)
 ・本州四国連絡高速道路(株)
 ・独立行政法人 日本高速道路保有・再建返済機構

道路公団民営化」については、以前、流れや経緯など詳しく記事にしましたので、以下をご参照頂けると幸いです。

道路公団民営化」により高速道路の料金体系は大きく変化しました。また、 「道路公団民営化」は、債務の確実な返済、真に必要な道路を早期にできるだけ少ない国民負担での建設を目的としたものですが、債務の返済は進む一方、現在も建設は続いています。

2023年には、2050年までとしていた料金徴収期間は老朽化対策などで段階的に2115年にまで延長されることになりました。

この民営化後20年を迎えるにあたり、民営化から10年を機にとりまとめた「高速道路機構・会社の業務点検」、このフォローアップが2025年8月1日に公表されました。

この「道路公団民営化」が行われることになった大きな要因が、2001年4月に発足した「第1次小泉内閣」の「聖域なき構造改革」です。

聖域なき構造改革」とは、 政府による公共サービスを民営化などにより削減し、市場にできることは市場にゆだねることを改革の柱とした経済政策です。

この「聖域なき構造改革」の一環として、2001年12月に「特殊法人等整理合理化計画」が閣議決定され、この計画の中で、国からの財政支出が大きく、国民の関心も高い「道路関係四公団」の改革、民営化の方向が打ち出されました

この「特殊法人等整理合理化計画」で、道路関係四公団は廃止し、新たな組織は民営化を前提とし、できるだけ早期に発足させる方向となりました。

2025年9月30日(火)に国土交通省の中野大臣の記者会見があり、本件について言及がありました。

(大臣)

高速道路機構、そして高速道路会社は、平成17年10月に設立されて、明日10月1日で、民営化後20年を迎えるところです。

この民営化後20年を迎えるにあたっては、有識者にも御議論いただいて、民営化から10年を機にとりまとめた「高速道路機構・会社の業務点検」、このフォローアップを8月1日に公表したところです。

御指摘のように民営化当時、3つの目的が示されていましたけれども、フォローアップで示されたとおり、直近の10年間においては、1点目は高速道路機構が保有する有利子債務は、引き続き着実に減少するとともに、2点目は高速道路会社はコスト縮減を図りながら、高速道路のネットワークの整備や安全・安心なサービスを提供し、また、3点目としてSA・PAにおける売上高が着実に増加するとともに、トイレや案内サインが充実されるなど、民間のノウハウを踏まえた、多様なサービスの提供がなされるなど、その目的に即して、着実に成果を上げてきたと考えているところです。

特に、有利子債務については、民営化時に保有していた債務の着実な返済とともに、高速道路のネットワークが建設中であることに加えて、令和5年の道路整備特別措置法の改正による料金徴収期間の延長により、更新であるとか、あるいは御指摘の暫定2車線区間の4車線化等も含めた進化事業を進めている中で、引き続き確実に債務を返済することが重要であると認識しています。

他方で、今年4月に発生した広域的なETCシステム障害を踏まえた「確実なサービスの提供」ですとか、物流環境の改善やカーボンニュートラルの推進など、高速道路を取り巻く国土・経済社会の変化を踏まえた社会的課題への対応が、今後重要となってまいります。

国土交通省としては、今後も、この民営化の3つの目的とともに、新たに顕在化した課題についても着実に取り組むことで、その成果が上がっていくように、高速道路機構及び高速道路会社と連携して、取組を進めていきたいと考えています。


今後、高速道路行政がどのようになっていくのか?は、自民党、公明党が少数与党になったこと、現在、自民党の総裁選挙が行われていることなどから不透明な部分も多いですが、国土交通省の2026年予算概算要求から見た方向性については以前、記事にしましたので、参考になれば幸いです。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。